ワンコだって、歯が大事!

え~。とっても久々にお仕事関連の記事でございます。

先日、ope・麻酔処置の予定表に、同じおうちのワンちゃん
2頭の歯石除去が入っておりました。

単に歯石をとる、とはいってもそこはやはり人間と動物の違い。
痛かったりしたら当然暴れますし、中には”シューッ”とか
”ぶい~ん”ていう機械の音がするだけで怖がって暴れちゃう子も
いますので(動物は何されるかわかってませんからね。怖くて当然。。。)
基本的に全身麻酔が必要になります。

(時々例外的に、ほんの軽度の歯石で痛みなく処置できそうで、
 とってもおとなしい子の場合のみ、無麻酔で処置することはあります。)



さてそんなこんなで、当人お二人、JくんHちゃんご来院。
とっても性格の良い、かわいらしいお二人さん。

飼い主さんと一緒に診察室に入ってもらって、絶食絶水の確認、
身体検査などを行って、全身麻酔のコトなどご説明して。

最初歯石取りのご相談に来られた時は院長が診察して
私は見ていなかったので、それらのお話をしながら、おとなしそうな
お二人さんだったので、どんな具合かお口の中を見せておいてもらおうかな~♪
と、見てみたら。


ひょっ。ひょえ~っ。


すんごい量の歯石っていうか、奥歯はすっかり歯石に埋もれて
歯そのものは見えず。。。
そして重度だったのがその歯石によって引き起こされた歯肉炎(>_<)
歯肉は炎症を起こして真っ赤に腫れ、今にも出血しそう。。。
そして大半の部分の歯肉は退行して、歯の根本がむき出しに
なっている状態。。。
そして何本かの歯は、もうその時点で指で軽く触っただけで
ぐらりん、ぐらりん。。。

うぅわぁ、これは結構抜歯しないとイカンやろうなぁ。。。(^_^;)

で、飼い主さんに必要なところは抜歯もしてしまいますね。ともご説明。

そのご説明の際に、思わず
「お~、痛そうやなぁ、よう頑張ってごはん食べてたね~」
って言ってしまって、言った後に
(飼い主さんにちょっと失礼だったかな・・・ f^^;)と思ったんですが、
「あ~、そういえばちょっと前に痛そうにしてましたわ~」と、
あっけらかんと飼い主さん。

んじゃその痛がってた時に連れてきて欲しかったです~(>_<)
と思ったってのはここだけの話。(笑)



さてそうして午前の診療を終えて、JくんHちゃんの歯石除去処置。

普通は、成犬の永久歯なんて、相当がんばらないと抜けるものでは
ないんですが。。。
二人の歯は歯根がかなりむき出しになっていて、しかもその歯根が
炎症で壊死(組織が死んでいる、腐っているような状態。)を起こしていて
軽く引っ張るだけで抜ける歯が大半。。。
中には既にほとんど抜けていて、皮一枚状態で歯肉にくっついているだけの
歯もありました。こういう歯って、かえって痛いんですよね。
ごはん食べる時にごりごり歯肉に当たって--;

そして二人の処置を終えてみれば、なんと二人合わせて25本の抜歯。。。
この仕事に就いてから9年目になりますが、一日でこんなに抜歯処置したのは
初めての経験でした(^_^;)



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

”ものを食べる”というコトだけからいえば、飼い犬であるワンちゃんにとっては
歯はとてつもなく大事!という訳ではありません。

ワンちゃんの歯を見てみたら、人間のように臼状の歯はないですよね?
人間は口の中で食べ物を咀嚼し、唾液と混ぜてから胃に送り込む、という
”一次消化”が口の機能としてありますが、ワンちゃんの口には
そういう役目はなく、飲み込める大きさに食べ物を噛み裂く、というのが
メインの機能になっています。
なので、野生動物でない、飼い犬のワンちゃんであれば、歯がなくなったから
といって飢え死にするようなコトはまぁありません。

しかしそれでもやっぱり歯は大事です。
歯が悪くなっちゃうと、固いおやつなんかは食べれなくなっちゃいますよね。
そして状態が悪化してぐらぐらしてきて痛みが出ると、当然普通の
フードなどの食事も上手く採れなくなる可能性もあります。

そしてさらに、歯根の炎症がひどくなり、感染を起こすと
”歯根膿瘍”といって、膿がたまって、目の下あたりに穴が開いて
膿が流れ出すコトもあります。
ひどい場合には、プードルさんなどの小型犬では、下あごの骨が
歯根の炎症の波及をくらって、溶けてしまい、しまいに下顎骨折に
至ってしまうような例もあります(@_@;)!

そして、口や顎といった局所の問題だけでなく。
最近人間の医学で頻繁に言われていますよね、
「口内環境清浄化!」って。
実は、そういった歯石やら歯肉炎を起こしている部分の細菌が
身体全体のあちこちによからぬ影響を及ぼす、と言われているんですよね。

ワンちゃんだって、基本的な身体の構造は同じほ乳類ですから。
同じコトが言えるはずです。
やっぱり、ワンちゃんだって歯は大事!なのです。



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だけど、ワンちゃんの歯磨きってやっぱりとっても大変です~^^;
大人になってからしようと思っても、難しい子が大半のようですから、
できるなら小さいときから癖づけできるといいですね。
といってもいきなり歯ブラシはびっくりするので、まず口を触る。
慣れたら、歯を触る。慣れたら指で歯をごしごししてみる。
できそうだったらガーゼとか指に巻いてごしごししてみる。。。
気長な作業ですが^^;

どうしても歯を触らせてくれないワンちゃんの場合は、歯石を
つきにくくするフードやおやつなども開発されているので、
それを使ってみるのも一つの手ですね。

歯石のつきやすさは、個体差もかなりあります。
もともとの歯質によって、歯石のつきやすい子、つきにくい子がいてます。
(ちなみに今回のお二人さんは、まだまだ若い6~7才でした。)


あれ、そういえばうちの子、なんだかお口が臭うし、ちょっとヤバイかもっ?!


と思った方は、早めにかかりつけの先生に一度ご相談してみてくださいね^^

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この記事へのコメント

タオルン
2007年06月23日 00:49
JくんとHちゃんの飼い主さん、どうしてそんなに平気なのよ~ 痛いのかわいそうですよー  ・・・って言いながら、うちのおばあちゃん猫、ぜったい歯磨きなんてさせてくれないから、歯石がとれるご飯を・・・でもシニア用で毛玉ケア用で歯石もとれて・・なんて一石三鳥の食べ物って・・・?
よねっち
2007年06月24日 00:14
>>タオルンさま
意外とワンちゃんもタフなもので、なかなかそういう口の中とかの痛みとかは気づきにくいものみたいですね~ f^^;
そして猫さんはワンちゃんよりも歯磨きは難しいですね f^^; 全てにいいご飯があれば本当にいいんですが~ ^^;

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